
ヒューマンスキルは大事だと思うが...
先日、同じ著者の『ITエンジニアのための仕事を速くする9の基礎力と7のエクササイズ』を読んだが、今回は、さらに人を動かすためのコミュニケーションスキルに特化した内容になっている。
今回もITエンジニアのためとうたってはいるが、内容は、組織で仕事をしたり、プロジェクトを行ったりする人全般にとって参考になる。
ただ、論述の視点が、上司が部下を動かす、先輩が後輩を指導するといったものが多く、実際に、現在の自分が悩んでいるところである、他部門の職員を動かすにはどうしたらいいか、とか上司を部下がどのように動かしたらいいかといったテーマが少ないのが残念だ。
今携わっているシステム開発プロジェクトがうまくいかない理由としては、その2点が大きい。他部門や上司を動かすためには、インセンティブを与えたり、貸しを作っておくことが有効だということだが、役所では、インセンティブや貸しって提示しづらい。そのプロジェクト自体がうまく行こうが行くまいが、自分の評価には大きな影響がないから。そういうところでは、どうやって動かしていけばいいんだろう?この本を読んでかえって悩んでしまった。
プロジェクトは人間が行うもの。それをうまく行かせるには、著者のいうようなヒューマンスキルが重要だということも分かる。この本の豊富な事例を見てもそれは事実なのだが、それだけでは、プロジェクトってうまく行かない気もするなぁ。考えさせられた1冊。
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